MTB→衝突→骨折
Published at 15:33 on Sat 18 October 2008
今夏からオフタイムを出来るだけ、MTBに乗って、サリー州の田舎、あっちこっちを走り回ったりして過ごしている。半分は個人的に一人でやって、半分は近くのサイクリング・クラブと一緒で。
一人の時はだいたい、長距離でマイペースで走る。探検っぽく、頻繁に地図を確認しながら進む。ところが、クラブのメンバー達と一緒にやると、競走でもないのに、競争心がやっぱり沸いてくる。例えば、一人なら注意深く走るようなところに、ブレーキをかけずに通り抜けることがある。つまり、無意識に調子に乗って、普段より気が大きくなって「やるぜ」という精神になる。一言でいうと、無謀。まぁ、そこでスリルを感じることもあるが、自分のテックをどこまでいけるかを試すため、また、スキルアップさせるため、安全範囲外のリスクに挑む。
殆どの場合は、上手くいく。それで新しい自信をつけて、成長するわけ。ただし、思うとおり上手くいかない時もある。それから、完全に失敗する時もある。そういう時だって、うまくしたら、プライドだけが傷つく。でも、身体も傷つける可能性はもちろんある。危険なことをやって、それに伴うリスクを完全に避けられることが不可能なのだから。
さて、先週は、下手にした時があった。ライド途中転んじゃって、上腕骨を骨折した。医者によると、完治するには、約6週間かかる。
あの日、いつものように、早朝に家に出かけ、集合場所に向かい、クラブのメンバーたちと合流。集合場所は谷の下だったから、年初めての霧にかかっていて、とても秋らしいの気候。20人位のメンバーが集まって、やっと準備完了し、出動すると、霧がもう薄れ始まった。コースの前半は好調で、ふかふかの落ち葉の中を掻き分けながら進む。

【前半はとにかく好調だった。ヘルメットが今日も偏っている~ 何で?】
トラブルは後半に起こった。急勾配の下り並走不可の狭い林道(いわゆる、シングルトラック)のところで発生した。最初は走りやすいが、突然、急カーブがあった。それを曲がったところ、道脇から出っ張っていた大きいな障害物が待っていた。アニメの「もののけ姫」の風景にありそうな木の根っこの塊みたいなもの。視野に入ったが、回避するための操縦の修正が微妙に遅かったため、衝突。
すると身体が空に曲線を描く。そして地面に戻る。一瞬後、同じような曲線を描いた自転車がケビオの上に落ちてくる。
閉まったな、と思いながら数秒だけ、そのままの体勢にいる。それから「よっしゃ」と、立ち上がろうとする。でも、立ち上がることはできない。背中に落ちてきた自転車は非常に重たく感じる。普通に動かせるはずなのに、ちっとも動かせない。と言うのも、左側の腕には、微妙に力は入らない。ちょっとやばいかな、と最初思ったのはこの時。
後ろからやってきたメンバーの誰かが「大丈夫かい?」と声をかけてくる。「うん、と思う。自転車だけを退かしてくれる?」と、この時でさえ恥ずかしく、頼む。持ち上げてもらって、ケビオは自力に立ち上がり(足はとにかく大丈夫みたい)、堤に腰をかける。「少し休憩した方がいいよ~」と勧められる。身体を点検する。手や手指などはちゃんと機能しているので一安心。ただ左腕だけは、妙に調子悪い。休憩しても、うまく曲がることができないし、力も入らないし。数分後、「続けられるかい?少し歩いていってもいいし」と聞かれる。
「うん、いけると思うよ」と答えて、自転車に再度乗ってみる。特に強がっているつもりはなかったが、「負けてたまるか」っていう気持ちは多少あり。【一緒か?】片手で自転車を操縦させて、下がり道の下までいける。左腕は今でも意志を応えない。というのも、ますます機能しなくなるようだった。これ、やっぱり、やばいな、と更に強く思えてきた。
林道から出て、しばらく、平らな未舗装路になる。それから、登り坂が待っている。どれほど片手で頑張っても、登り坂は無理だった。頭ン中には、もう判断を下した。退去するか否かという判断。ケビオはどんなに負けず嫌いの性格の持ち主だっても、自分の限界を知るんだ。てか、この調子のままだったら、他の皆にかなり迷惑だと分かっていたし。それから、ちょうど某田舎駅が近い場所だったから、退去するなら、ここがベスト。ラクで家に帰るはず。
退去をリーダーに告げる。「うん、いいと思うよ。無理にすることないから」と頷く。そしてケビオは、一度も振り返らず、自転車を片手で押しながら、一人で駅に向かう。負けちゃった。負けてもいい時があると分かっていても、ものすごく悔しい。後ろにメンバーの声が少しずつ小さくなる。耳を澄ませて、声など何も聞こえなくなると、グループがもうゴールに向かって再出発した、と知った。それでも、振り返ることが出来なかった。
駅に近付くほど、体力が全体的にすり減っていく。到着したら、登り電車のホームは、案の定、入り口との反対側。仕方ないな、と溜め息をつく。ゆっくり階段を登る。田舎駅だから当然本数は少ない。電車がくるまで30分以上。でも、今回はそれをイライラしない。かえって、うれしい。駅の外で、太陽の当たる場所で煙草を吸って、ゆっくりで待つ。
ここまで、痛みと言えるような痛みは感じなかった。たぶん、エンドルフィンっていう脳内で、自然に生産される麻薬が効いていたから。しかし、その効き目が弱くなると、痛みが、その分、強くなる。激しいのではなく、鈍いもの。ただし、嫌ではない。自分が生きているよ、と知らせてくれるような気持ちだったから。本当に久しぶりに、自分は 生きているぞ、と実感して、高揚感とも言えそうな気持ちを味わう。
に関わらず、現実に戻ると、体力がドンドン減っていく。自転車を電車に載せるのが一苦労。一人で家までたどり着くかどうかさえ不安。携帯を出して、従妹の短縮を押す。状況の成り行きを説明して、叔父さんが途中の主要駅(しかもバリヤーフリーの駅)で出迎えてきてくれることになる。
車に乗って、走り出してから、叔父さんは「念のため、市立病院で診てもらった方がいいと思うので、そっちに送るよ」と言う。ケビオは、もう何も強がらず、それを頷く。そして、話は、なぜだか、現在世界中に及んでいる金融危機に関するギャグ・嫌味冗句などのやり取りとなった。
病院の救急外来に行く。二時間ぐらいを待ってから、名前が呼び出され、トリアージ室(=応急処置を施す室)に案内される。さっそくレントゲン写真を撮ることになる。「お気の毒ですが、上腕骨を骨折したんです」と、レントゲン技師は、ややわざとらしい深刻な表情を作って、小さな声で結果発表。
しかし、ケビオはショックを受けなかった。もう自分で何となく予想していたんだ。しかも、少し期待もしていた。人生初めての骨折体験!明るい声で「診断をありがとう」と、礼を言う。それから、腕がつり包帯を装着することになり、鎮痛剤を出され、ぶっきらぼうに病院の出口にアンナイされる。(さすがイギリスの病院サービス精神!)
クラブHPでの報告はこちら






Reader comments so far...
On 20 October 2008, chinoboo said:
そんなことがあったんだ!
でも自転車が降ってきても腕の骨折るだけで
(「だけ」って言っても私だったらギャーギャー
泣いたと思うけど^^)
すんだのはMTBで鍛えてたからかもよ?!
ともかくお大事にね。
読みながらふと思ったけど、PCは使えるの?
腕の骨折って左腕はギブスで固定されてるの?
On 20 October 2008, ケビオ said:
>ともかくお大事にね。
ありがとう。栄養食べ物をたっぷり食っているよ。それから、牛乳(中国生産じゃない奴)をドンドン飲んでいる。骨だから、カルシウム摂取をアップさせないと、と思って~
卓上パソコンなら、右手のみで打ってる。ノートパソコンをひざの上に置いて、右手7割、左手3割かな?
ギブスはない。骨折のところは肩に近いから出来ないみたい。知らんけど~ ま、どっちにせよ、ギブスは嫌だも~ん。
On 20 October 2008, つとむ said:
大丈夫???
骨折なんて、、、痛そう~~~。><
利き手は右だったっけ?
どっちの手を怪我しても支障があるけど、利き手は
スッゴク難儀するもんね。
ケビンは若いから回復も早いだろうけど、くれぐれも
ご自愛ください。
仕事は休んでる?
どちらにしろ無理は禁物。
ケビンは性格からして、自分を省みないで無理しそうだから
自重して、ゆっくり休養して下さい。
早く治るといいね。
^^
On 21 October 2008, ケビオ said:
メッセージをありがとう。
幸運のことで、利き手(友達によれば「アルコールを飲む手」と言うけど!)じゃなかった。だから、支障はそれほどない。と言いながらも、不便は不便。
仕事は、正式で、二日だけ休んだ。肉体的な仕事じゃないから、何とか活躍はできるんで。
休養か?ケビオには苦手やけどね。自分なり、頑張って、安静にするよ。
ツトムは元気にしている?(いつか遊びに行っていい?)