Kebio76

KEBIO76 は、イギリス生まれ徳島県育ちのケビオが随想を、気が向いたら、皆様に届くための特別な区域です。

何もうまくいかずの旅の始まり

Published at 16:54 on Sat 27 October 2007

この前、取材の目的で、ベルゲンへ行ってきましたので、その裏話リポートを簡単に報告したいと思います。

海外の出先を国別で並べたら、北欧のノルウェーが圧倒的にナンバーワンになるだろう。だからケビオは現在、マンチェスター等、イギリスの地方都市より、きっとオスロのほうに詳しくなったかもしれない。

しかし、今回は珍しく首都のオスロではなく、その第二都市のベルゲン(Bergen)に行くことになった。日本に例えると大阪にちょっといって来たやん、と言う感じ。都市の規模が全然違うんやけど。また関西弁も話さへんし、たこ焼きも食えへんし~(当たり前か?笑)

出発に向けて空港に到着して、搭乗するまでの時間が少ないので、手続きなどをできるだけ急がなくちゃ。でも、急ぐ時に限って問題が多発するもの。まずATMを探している時のケビオの様子が警備員の警戒心を起こしてしまった。やっとATMを見つけて、現金を下そうとしているところ、後ろから声が聞こえてくる。「おまえ、ここで何の用かい?」

ケビオはそんな「悪の見方」や「世界の平和を狙っているテロリスト」に見えるのか、と疑問に思うが、そういう話を持ち切れば、さらに面倒なことになるので。おとなしく搭乗券と旅券を見せる。警備員は両方を確認してから「では、良い旅行を」と、気持ちを全く込めずに言って、姿を消す。

次は、百ミリリットル以下の髭剃りジェルを入手できるか、というチャレンジ。テロ対策として、機内持込可能の液体物は厳しく制限されて、百ミリを超えると没収処分されることになる。手荷物のみの乗客にいい迷惑だ。大手チェーンの薬局に足を運んで、ターゲットをすぐ見つけるが、そんな簡単にレベルクリアにならない。長い列が、店内の通路を埋めつき、並んでいるから。その最後尾につくのが、一品だけを持つケビオ。今度から電動式の髭剃りで我慢しようかな。

薬局で待たされた結果、食堂に寄る余裕がなくなってしまった。最後のチャンスは、搭乗ラウンジにあったチョコ専用の自販機。でも、使おうと思ったら「つり銭なし」の表示板がゆっくり点滅していた。無理にコインを投げ込んでみても、そのまま吐き出されるだけ。なぜこんなについてないのだろう?

乗るギリギリ前でも、手続きのミスによって、指定席が前の方の席から後ろの方になっちゃったし。前世にでもした悪いことに対する報いなのだろう?

何だか悪い予感を覚えた。

空港と飛行機を結ぶ連絡橋を渡って、列を数えながら、変更されたばかりの席を探す。案の定、一番後ろの窓側のやつになった。狭い。仕方なく腰を下してシートベルトをしめ、離陸まで待つ。ケビオの横に座った、機内でもキャップをかぶったままの中年の男性に突然話しかけられたのは、北海の上空を飛んでいる時だった。

「席がここになっちゃって、ほんまに俺たちまいったな」

ちょっと馴れ馴れしい表現使いを無視して「それはそう」というような相槌だけをする。その人がどこか変なオーラを出しているような気がしたから、何となく話を続けようと思わない。また静かになり、エンジンの唸りだけが耳に入ってくる。とにかく取材先から事前に送られた資料を目にやる。関わらないでくれ、という分かりやすいジェスチャー。そのつもりだったが、やっぱりお隣さんには通用しなかった。

「君、学生か?」

続いて資料のほうに指を差しながら「あれ面白そう。何を勉強してるんかい?」と質問を連発する。

しつこいな、と思いながらも、答えてやる。まず、学生ではないんだ、と誤解を解け、それから読む途中の資料が何の資料かを淡々説明する。向こうは、飲み込みが遅いか、納得しなかったか、しばらくのあいだ黙り込んていた。そして、何かの結論についたように、彼はいう。

「俺はすごく危険な人だ。なぜならば、俺、銃オタクなのだから。よろしく」

やれやれ。最初から感じ取ったオーラは確か変だったが、これはとんでもないぐらい予想外な展開となる。こいつはマジなのか?このような自己紹介(~と言えるものかどうかさえ分からんが~)を聞いたのは生まれて始めて。きっと二度と来ないだろうし。

そのことを言われて、どう答えればいいか全く分からない。お決まりの返事はあるはずない。けっきょく口から出たのは「あッ、そうなんですか」だけ。そして、空港に出会った馬鹿な警備員を思い出して、少しイライラする。まともな(つもりの)ケビオを疑う分に、コイツみたいのを逃していいのか。お隣は続く。

「それから狩猟が大好き。よくイングランドやスコットランドの田舎に旅行して、鹿などを撃つ。獲物が多いから、毎回わくわく楽しみにする」

頭の真上の荷物入れをふと見上げてしまうが、着陸まで残りの一時間半に、中に何が入っているかをできるだけ想像しないようにしていた。

Reader comments so far...

On 01 November 2007, chinoboo said:

うわっ!うざっ!!!
ほんまそんな人に隣座られるとつらいよね。
ついてなかったねぇ。

On 05 November 2007, ケビオ said:

うざいやろう。でも、無事で生き抜け、振り返って考えれば、面白い登場人物だし、それに良いネタになったし。そろそろ、第二弾を書かないと、ね。

【あ、でも最近、仕事で昼間ずっと雑誌掲載用の記事を書いたりして、夜になってくると頭の回路が加熱し、それ以上に頭をひねって作文するには気が向かない時が多くなっている。こんどの締め切りが過ぎたら、また頑張るぞ】

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